今回は、フロントエンド商品について考えていきます。
長くなるので、第1弾として。
フロントエンド商品とは
フロントエンド商品とは、入口になる商品のことです。
会社、店、商品自体の取っ掛かりになる商品です。
さらに言い換えるなら、
0→1を実現するための商品
です。
簡単なところで言えば、
■食料品売り場での試食品
があります。
■車の試乗
■住宅の展示場・モデルルーム
もそうですし、学校が実施している
■オープンスクール
なども同じです。
完全に分かるわけではありませんが、およその内容は分かります。何も体験しないのとでは雲泥の差です。
意義
塾の場合、いきなり「入塾」を提案しなくても良いのです。
家庭側にとって、入塾はハードルが高いです。
もっとハードルの低い商品を準備した方が、保護者は問い合わせもしやすくなります。
そもそも、入塾をプッシュしなくても、ハードルの低いフロントエンド商品に問い合わせしてもらえれば、そこから先は、割と高い確率で入塾につながりますよね。
入塾につながらなくても、リストがあれば、何かのご案内を改めてお知らせすることもできます。
リストがなければ、もう何もやりようがないく、ひたすら問い合わせを待つだけの話になってしまいます。
ですので、大事なのは入塾を売ることではなく、ハードルの低いフロントエンド商品を提示して、まずは問い合わせをしてもらうことです。
0→1の獲得です。
具体化する
反応・問い合わせ・申し込みを得るためには、具体的な提示が必要です。
当塾の方針は…云々
当塾の特徴は…云々
と並べること自体は反対しませんが、これは反応につながりませんよね?
言ってみれば
「何に問い合わせするのか?」
が明確ではないのです。
問い合わせすることがない、という状態です。
皆さんへの提案
今、この記事を読んでくださっている皆さんも、この記事だけだと恐らく私への問い合わせにつながらないはずです。
「学習塾集客セミナー」
「チラシ添削会」
などの具体的なフロントエンド商品を提示することによって、初めて「問い合わせてみようかな?」という判断になることと思います。
「いや、それは要らないな」という判断でも良いのです。
いずれにしても、具体的な思考が始まっている、ということですので。
つまり、具体的な思考を起こしてもらうためには、具体的な提案が必要だということです。
それをフロントエンド商品で実現してほしいと思うわけです。
冠をつける
学習塾において、代表的なフロントエンド商品は「無料体験授業」でしょう。
非常に多くの塾が実施していますね。
ということは、珍しくも何ともない、ということでもあります。
もし、無料体験授業をするのであれば、目を引いてもらうために、せめて冠をつけてほしいと思います。
「〇〇中学生のための無料体験授業」
「〇〇高校受験希望者のための無料体験授業」
等々。
「無料体験授業」の前につけるフレーズを私は「冠」と呼んでいます。
この「冠」は無料体験授業に限らず、他のことにも応用できます。
「英語を極める夏期講習」
「平均点を獲得するためのテスト対策講座」
等々。
すぐにでもできることですね。
費用も掛かりません。頭脳を働かせるだけです。
但し、具体化してくださいね。
「輝く未来を切り開くための無料体験授業」
では意味がありません。
冠をつけるとは、言い換えるなら
「誰のための体験授業なのか?」
「何を学ぶ体験授業なのか?」
を明確にしてください、ということです。
絞り込むこと
上記で説明した「〇〇高校受験希望者のため無料体験授業」等とすることが怖い人もいることと思います。
冠をつけるということは、絞り込むということでもあります。
絞り込むとは、切り捨てるということでもあります。
だから、「〇〇高校受験希望者」以外の問い合わせが無くなるのでは?という心配が出てくるのだろうと思います。
ここですよね、思いっきりが必要なのは。
これは解説し始めるととても長くなるのでダイジェストでお伝えしますが、
■絞り込むことで一部の人には強く突き刺さる
と思ってください。
〇〇高校受験希望者の人に突き刺さればOKなのです。
そもそも、何人集めるつもり?
という観点。
また、ウエブで塾を探す際、
「普通の塾」とは検索しない
という観点。
これらを合わせて考えると、絞り込む方が有利です。
というか、小規模塾の場合、絞り込むしかない、と言った方が良いかもしれません。
ハードルの低さ
入塾という大きなハードの前に置くものが、フロントエンド商品ですので、基本的にハードルは低い方が良いです。
どうであれば、ハードルは低くなりますか?
考えるべきことは二つです。
■安い
■短い
です。
安いという点。
これは、無料体験授業とすればそれで完了です。
短いという点。
日数、1日の時間数は短い方が、フロントエンド商品としての機能は果たしやすくなります。
お気軽に申し込めるということですね。
これは、テスト対策や季節講習も同様です。
有料の講座であったとしても、日程時間数が短いと、たいていは安いはずですので。
「お気軽にどうぞ」と言いながら、「体験授業は10日間です」は、色々と矛盾します。
ハードルを下げるためのフロントエンド商品の中身が、ハードルを上げてしまっているわけですね。
ハードルを下げるなら下げることに徹する、と考えれば良いかと思います。
順番
チラシ作りに関して、以前よく聞いていたお話では、
「色々なことを書いているうちに、フロントエンド商品を書くスペースがなくなった」
というのがあります。
それって、逆です。
まずフロントエンド商品ありきです。
フロントエンド商品掲載のスペースを確保する
フロントエンド商品の説明をする
複数のフロントエンド商品を並べる
が先で、余ったスペースに違うことを書けば良いです。
チラシの目的はたった一つです。
「問い合わせをもらう」です。
それに徹することです。
であるなら、具体的な提案=フロントエンド商品がメインであるのは明らかです。
ウエブ上
ウエブ上ではどうすれば良いか?
まず定期的にブログを書くことですね。
それは必須条件です。
そして、ブログ記事のどこかにフロントエンド商品を掲載します。
掲載するとは、「フロントエンド商品を説明したページへのリンクを貼る」が本当は正しいです。
ブログを定期的に書く、ブログ中にフロントエンド商品へのリンクを貼る。
言い換えるなら、繰り返してフロントエンド商品を提示するということでもあります。
ウエブ集客は言いだすとキリがなくなるので、とりあえずそれだけお伝えしておきますね。
複数ラインアップ
フロントエンド商品は複数持っておいた方が有利です。
いつでもいつでも変わらずに「無料体験授業」では、ちょっと残念です。
塾は、季節もの商品という性格があります。
要は、問い合わせが増える時期、あまりない時期が分かれるということです。
その時期に応じて、フロントエンド商品を準備した方が良いですよね。
さらに、学年や学力層に応じたフロントエンド商品を揃えておくと、結局、打ち手が多くなります。
引き出しが多くなります。
手詰まり感がありません。
常に集客チャンスがある、ということです。
一応は定番
ここまで書いてきたことは、一応「集客のための定番」と言われていることです。
基本編です。
しかし、これで十分とは思っていません。
まだ考えるべきことは残っています。